鈴虫の音色を子ども楽しもう! 鈴虫の飼育方法を紹介

夏の夜、鈴虫の鳴き声がリーンリーンと聞こえてくると、「夏もそろそろ終わりかな」などしんみりとされた経験のある方も多いと思います。鈴虫はその昔、平安時代から貴族の間で飼育を楽しまれてきた夏の終わりの風物詩。子どもにもその鳴き声の趣を伝授したいものですね。
現在では、地域によっては野生のコオロギが減り、なかなかその美しい鳴き声を聞けなくなってしまいましたが、ペットショップやホームセンターなどで販売しているので、簡単に手に入り飼育することができます。そこで今回は、鈴虫の生態と飼育方法を紹介していきます。

鈴虫をよく知ろう! 鈴虫の生態について

鈴虫はコオロギ科スズムシ亜科の一種で、体長17㎜~25mm程度の黒色の昆虫です。
東北南部より南の日本全国に分布しており、6月上旬に卵から孵化して幼虫になり、さなぎにはならず、8月中旬に成虫になります。その後、寿命を迎える9月下旬ごろまでその鳴き声を楽しむことができます。
鈴虫は基本的に夜行性で、昼間は石の下や草むらなどの物陰に隠れています。その美しい鳴き声は翅と翅をこすり合わせて出しており、オスがメスの関心を引きつけるためのものだと言われています。

鈴虫の飼育方法

鈴虫の飼育ケース

鈴虫の飼育ケースは、市販の透明プラスチックやガラス水槽が観察もしやすくおすすめです。30㎝程度の大きさのものに10匹が目安です。
ケースの中には土またはマットを敷きます。土の場合は園芸店などで小粒のものを選び、新聞紙などに広げて5時間ほど日光消毒をしてから、3cmの深さになるよういれます。マットは鈴虫用のマットが販売されています。産卵させる場合は深めに敷くようにしましょう。
次に、鈴虫が昼間隠れられるよう、枝や木炭、植木鉢のかけらなどを入れます。その他、えさ用と水やり用の皿も用意しておきましょう。また、ケースの上部には、クモなどが侵入しないようガーゼなどでフタをしておきましょう。

エサの与え方

鈴虫のエサは、市販されている「スズムシのエサ」または、「キュウリやなす」「削り節」です。市版の人工エサがタンパク質を補うことができ栄養面や手軽さからおすすめですが、キュウリやなすを与える場合は、輪切りにし、カビがつかないように毎日変えるようにします。削り節は、エサが植物性の場合に共食いを避けるために必要となります。すり鉢で粉状に擦ってから与えましょう。
鈴虫は水もよく飲むので、切らさないように与えます。浅い皿やタッパーなどに水と一緒にミズゴケも入れれば、足場になって安全に飲むことができ、水切れ防止にもなります。

鈴虫の手入れ注意点

飼育ケースの設置場所は、常温の場所で問題ありませんが、直射日光を避けて風通しの良い場所にします。
ケース内の土やマットは常に湿り気がある状態を保つため、霧吹きで水分を適宜補充します。その際は、鈴虫には水がかからないように注意しましょう。また、湿り過ぎはカビの原因となるので、やや乾燥気味の湿り具合を維持することがポイントです。
また、昆虫なので蚊取り線香や虫よけスプレーがかからないようにし、与える野菜には農薬が残らないようによく洗ってから与えることも重要です。

鈴虫は、毎年土に卵を産み付けます。うまく育てれば、また翌年その音色を楽しむこともできるので、ぜひ挑戦してみて下さい。