春に子どもがかかりやすい「溶連菌感染症」ってどんな病気?

春に子どもがかかりやすい「溶連菌感染症」ってどんな病気?

「溶連菌感染症」は子どもが入園や入学、進級を迎える春ごろにかかりやすい病気の1つです。この溶連菌感染症にかかった場合、どのような症状が表れるのでしょうか?
ここでは、溶連菌感染症の症状や対処法、注意点などをご紹介します。

春にかかりやすい「溶連菌感染症」その症状とは?

溶連菌感染症にかかると、38℃~39℃の発熱、のどの痛みのほか、その他には頭痛や腹痛、首筋のリンパ節が腫れるなど、風邪の症状によく似ています。
ただし、風邪によくみられる咳、鼻水などの症状が出ないのが特徴です。
さらに、体や手足などに小さく赤い発疹が表れる、舌が赤くつぶつぶになる「イチゴ舌」になる、などの症状もみられるのも特徴的です。
急性期を過ぎ発疹が落ち着いたあとは、発疹ができていた部分の皮がむけ(落屑・らくせつ)、じょじょにきれいな皮膚が表れてきます。

溶連菌感染症の対処法は?

のどの痛みや発疹、発熱などによって溶連菌感染症が疑われる場合は、すぐに病院で診てもらうことが大切です。診察で感染が認められた場合、解熱・鎮痛剤や抗生剤が処方されますので、その日から服用を開始しましょう。

食事のポイント

溶連菌感染症にかかったお子さんは、のどの痛みや口の中の違和感によって食欲がなくなりがちです。もし食べ物すら辛いという状態なら、無理に食べさせようとしなくて大丈夫。水やイオン飲料などでこまめに水分補給をして、様子を見ながら食事をあげましょう。

食事がとれるようなら、熱すぎるものや辛いもの、すっぱいものを避け、のど越しがよいもの(プリンやヨーグルト、ゼリー、ポタージュスープなど)や、
消化のよいもの(煮込みうどん、おかゆ、パンがゆ、やわらかく煮た野菜など)を用意しましょう。お風呂は解熱していれば入ってもかまいません。

登園・登校はいつから?

登園・登校の基準は、厚生労働省によると「抗生剤による治療(服薬)開始から24~48時間経過したあと」と定められています。
ただし、登園・登校可能な時期は、園や学校によっても異なるものです。医師の判断と合わせ、通っている幼稚園・保育園・学校の登園・登校基準を確認してくださいね。

溶連菌感染症にかかったときの注意点

溶連菌感染症にかかったときは、以下のような点に注意が必要です。

もらった抗生剤は必ず飲み切る

溶連菌感染症にかかると、5~10日分の抗生剤が処方されます。
この抗生剤は、溶連菌感染症の合併症である「リウマチ熱」や「急性糸球体腎炎」を防ぐために処方されるものです。
症状がおさまったからといって途中で服薬をやめてしまうと、体に溶連菌が残ったままになり、合併症リスクが高まるおそれがあります。
処方された抗生剤は必ず飲み切るようにしましょう。

発病後に必ず尿検査を受ける

溶連菌感染症にかかったら、合併症が発生していないかを確認するために、発病から3~4週間後に尿検査をおこなう必要があります。
医師から再診・尿検査の指示を受けたら、後日に必ず受診して検査を受けるようにしましょう。

溶連菌感染症の疑いがあるときは、すみやかに受診を

溶連菌感染症の疑いがあるときは、すみやかに受診を
子どもにとって慣れない集団生活は肉体的・精神的にも負担になりやすく、

疲れから免疫機能が低下して溶連菌感染症を発症することも。
手洗いとうがいの励行をしっかりと心掛けるとともに、
夜は早めに寝かせるなどして体と心を休ませてあげましょう。
また、溶連菌感染症と疑わしき症状がみられる場合は、速やかに医師の診察を受け、
判断を仰いでくださいね。