しっかり押さえておこう!子どものケガの正しい手当方法

子どもは大人が思いもよらない事でケガをします。ケガをしたあとの対処の仕方によって、ケガの治り方に差が出てくることもあります。そのため、子どもが急にケガをしても慌てず正しく対処できるよう、子どものケガの手当方法はしっかりと押さえておきたいものです。今回は、子どもがケガをした時の正しい手当の方法を紹介いたします。

子どものケガ「基本の手当」

切り傷の手当ての基本は、清潔な状態で止血をすること。出血がある時は、まずは流水で傷口をよく洗いましょう。洗いながら傷口に土などが入り込んでいないかをしっかりと確認します。水で傷口の汚れや血を洗い流すことは、雑菌による感染予防だけでなく、傷口の大きさや深さを把握しやすくしてくれます。
傷口をきれいにしたら、滅菌ガーゼや清潔なハンカチを当てて止血したあと、ばんそうこうで傷口をおおいます。
ばんそうこうを貼ったあとは、傷口から出血が続いていないか確認しましょう。ばんそうこうは最低でも1日に1回は取り換え、取り換え時も水で洗い清潔を保つようにします。

ケガの手当てのポイント

①消毒液は使わない
傷口を洗う際に消毒はしないようにしましょう。消毒薬を使うと、菌を殺菌する際に新しく生まれた皮膚細胞まで破壊してしまうため、キズの治りが悪くなってしまいます。

②傷口を乾かさない
傷口を修復する行程で、傷口から出る透明の浸出液が細胞の成長を促し、ケガが治っていきます。そのため、傷口は常に浸出液で湿った状態にしておくことが、ケガをスピーディーにきれいに直すポイントです。
傷口を乾かさないよう、ケガをしっかりと覆う大きさのばんそうこうを貼るようにしましょう。傷をしっかりとふさいでくれる密閉タイプのばんそうこうや、ハイドロコロイド素材で保湿効果のあるばんそうこうもあります。かさぶたができると、子どもはかゆがってかきむしり、雑菌が入って化膿する恐れもあるので、傷口が修復するまでばんそうこうを貼っておくことをおすすめします。

③ガーゼを長時間あてておかない
傷を覆うのに、ばんそうこうの代わりに傷口に直接ガーゼをあてておくのは避けましょう。
ガーゼは取り替える際に、新しく生まれた皮膚細胞まで取り去ってしまうことがあります。ばんそうこうなど傷口に当たる場所が特殊加工されているものを使用しましょう。

出血や痛みが続くとき

出血が多い場合は、傷口を滅菌ガーゼなどで圧迫したり傷口部分をしばったりして止血を続けます。腕のケガなら、傷口を心臓よりも高い位置に保ちながら、足のケガならなるべく寝かせた状態をキープします。5分経っても出血が止まらないときは、すぐに病院へ連れていきましょう。
深いキズで怖いのは、組織や神経、腱や関節などの損傷を伴う時です。そのまま後遺症やその後の成長発達に影響が及ぶことがあるので、ケガをした時にしっかりと病院で適切な処置をしてもらうことが重要なのです。
また、出血はおさまったのに腫れてきたり痛みが続いたりする場合は、雑菌による炎症や傷口にガラスの破片などが残っている可能性がありますので、必ず病院を受診しましょう。

子どもに多い頭部打撲の手当て

子どもは大人と比べ、よく転んで頭部を打撲します。まず、子どもに意識があるかどうかを確認し、意識がない時はすぐに救急車を呼びます。意識がある場合は、打撲部を氷のうなどで冷やしながら子どもの様子を観察します。子どもの意識がぼんやりしていたり、気分が悪く繰り返し吐いたりするようならすぐに病院へ連れていきましょう。
また、腫れや痛みが引かず、こぶが膨らんできたり、柔らかい場合は内部で出血が広がっている可能性がありますので、病院で検査をしてもらいましょう。

子どもはケガをしても、痛みの強さを的確に伝えられません。大人がしっかりと子どものケガの状態を観察し、正しい手当ができるようにしておきたいですね。