旧イタリア大使館別荘記念公園|朝霞市・志木市・新座市・和光市の不動産・一戸建て・リフォームはマックホーム

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11月 06

旧イタリア大使館別荘記念公園

朝霞台のTo#です。

見はるかす四方の黒木の峰澄みてこの湖岸のもみぢ照るなり 牧水

奥日光の紅葉が盛りですとの朝の情報番組の映像に誘われるように、奥日光中禅寺湖畔の旧イタリア大使館別荘に行ってきました。

 

IMGP9845この別荘は明治期以降に中禅寺湖沿岸に建てられた数多くの各国大使館別荘のうちひとつで、近年日光市の所有となり一般に公開されています。設計はアントニン・レーモンド。レーモンドはフランク・ロイド・ライトの助手として旧帝国ホテル設計のために来日、その後ライトとは袂を分かち日本を設計拠点とし、戦前戦後の日本の建築に大きな影響を与えた建築家です。ライトの作風と決別したレーモンドは、日本建築の様式を巧みに取り入れ、日本的なるものと西洋建築の合理性を融合させ、その後の住宅建築の雛形になったといえます。レーモンド事務所には、前川國男や吉村順三などが在籍していました。

 

IMGP9807明治期、俗化してしまった箱根を嫌って、各国の大使館別荘が中禅寺湖畔に立てられました。夏季は外務省が日光に移るとも言われたほど大使達に人気の保養地でした。

このイタリア大使館別荘は昭和3年に完成、地元産の杉の皮を内壁外壁に市松模様に張り詰めているとても個性的な建物。

中禅寺湖に面する側に広縁が配置され日光の豊かな自然を鑑賞できるようになっています。ゆったりした椅子が並べられており、気の済むまで奥日光の景色を堪能できます。(写真は9月のもの)

 

IMGP9934IMGP9971さすがに今回の訪問は紅葉のハイシーズン。普段は静かなこの別荘もたくさんの観光客であふれていました。1階室内側からは人が多すぎて写真が撮れませんでした。左は湖畔から眺めた建物の姿です。手前の木道は桟橋です。湖にヨットを浮かべて楽しんでいたとか。与謝野晶子の句にも中禅寺湖から大使館の眺めを詠ったものがあります。(フランス大使館別荘ですが…)

われの船佛(ふつ)の大使(たいし)の水荘の前に及べるうす霧を分く 晶子

右は2階の眺望室からの紅葉です。別荘2階は人も少なく晴れた空を写す中禅寺湖が良く見えました。この景色が見たくて、渋滞のいろは坂を越えてきたのです。少し報われた気持ちがしました。(紅葉の写真は10/26)

今年の秋から隣のイギリス大使館別荘も一般公開が始まり、季節ごとに訪れたい場所になりました。次は雪が降ったら挑戦します。